積極的な運用を考えている人、安定的な運用を考えて要る人、とりあえず周りからおすすめなファンドを教えてもらっている人、さまざまいると思いますが、最終的に運用を決めるのは自分です。
最低限の知識は知っておくべき必要があります。
ここでは安定運用を考えていく上での3つのポイントについて説明します。
・安定運用の3要素
・安定運用の具体案とは
安定運用のメリット2つ
日々の価格変動におびえず安心して運用ができる
安定運用とは急な変動時でも積極運用と比べて大きく値下がりしないようリスクを抑えて行う運用のことです。
積極的な運用と聞くと、日々、相場の動きをチェックしたり、保有銘柄の売り時を見計らったりすることで利益を得ている様子が想像できるのではないでしょうか。
そのイメージの通り、どんな資産を保有するかによっては1日で大きく価格が変動することもありますので日々の相場をチェックしておいた方が利益獲得の機会を逃さずに済みます。
その代わり、日々相場を見ることで見通しの良し悪しで一喜一憂してしまったり、値下がりに不安を感じてしまうこと多くなるのも事実です。
一方、安定運用は相対的に値動きを抑えられるような方法を取りますので積極運用と比べて安心した運用を継続できるので、運用が初めての方や、仕事が忙しく相場を見ていられないような方には特に好まれている方法になります。
頻繁な銘柄の入れ替えや見直しが必要ない
上で説明した通り、大きな変動を抑えることができるので頻繁に見直しをする必要がなくなるのもメリットの一つです。
運用を検討する世代のうち、大半は働いているか、子育てをしている人になると思います。そういった方々は資産形成や運用についてじっくり考える時間がなかなか取れなかったりしますし、やっと始められたもののまた改めて中身を見直しする時間を取ることが難しかったりもします。
資産をできるだけ大きくしたい、増やしたいというのは皆さん共通する想いとしてあると思いますが、無理にリスクの大きいものを持つよりかは、安定運用で面倒なことをせずに長い目で資産を育てていく方が回り道をしないで済む可能性が大きいかもしれません。
安定運用の3要素
では安定的な運用はどんな運用のことを言うのか。
大きく分けて次の3つの考えを押さえておくと価格変動のリスクを抑える効果が期待できます。
資産分散
資産分散には大きく分けて2つのパターンがあります。
安定運用としては2つ目の資産分散の方法を取っていただくのが好ましいです。
例えば株式に投資する場合、1銘柄に限定せず複数銘柄に分けて運用をします。
こうすることでとある会社の株が暴落したとしても他の会社が値下がりしていなければ資産の全体的な値下がりを防ぐことができます。
デメリットとしては似たような業種の株に分散しても共通する要因で同時に値下がりしてしまうことも考えられますので、どんな銘柄に分散するかは吟味が必要です。
また、景気が全体的にマイナス傾向である時は株式市場全体が良くない状態ですので、業種を分散しても効果がないことが考えられます。
長期保有
その言葉の通り、長期で保有することを指します。
買ってから1年間ですぐに売却したものと、10年後に売却するものとではその増え方は全く違ってきます。これは当たり前に聞こえるかもしれませんが、なかなか長期で持ち続けられない人が多いのが現実です。
実際にリーマンショックがあったあの時に、下がり続ける資産の価値に不安を覚えて資産を売却し、手放してしまった人が後を立ちませんでした。
ですが、今となってはリーマンショックから十分に景気が回復し、リーマンショック前よりも資産を増やせている人も多くいます。
景気は大きな波であって、常に上がったり下がったりを繰り返しているものですが、より長期的な目線で見ると緩やかに上昇しているのが現実です。
経済も景気が下がり続けることが好ましいわけではないので色々な政策によって、いずれ景気は上向いてくようになっています。
つまり資産価格が下がり続けていたとしても回復の時が来るまでの間、しっかりと資産を持ち続けていくことが大事なわけです。
リーマンショックは少し極端な例でしたが、日頃のニュースで思わしくないことがあったとしても一喜一憂し、資産を手放すタイミングを今か今かと伺わずに、5年〜10年くらいのスパンでドンと構えていくことが大切になります。
さらには持っている資産が、長期で安心して持ち続けられるものであることも重要です。
時間分散
3つ目に時間分散です。資産の買付のタイミングを分散させることを指します。
これは全ての人に当てはまるわけではないですが、リスクを軽減させる効果としてはメリットの大きい方法です。
買うタイミングを分けると一口に言っても、好きなタイミングで買えるだけ買えばいいかというとそういうわけではありません。
一度買ったものを値下がりした時に買いたすことで持っている資産の平均単価を下げることができますが、その買うタイミングは見定めていなければいけないので誰にでもできる現実的なことではありません。もっと効率的な方法でないと意味がないのです。
ここでいう効率的な時間分散とは積立投資のことを指します。
積立投資は毎月決まった日に決まった金額を買付しますが、ドルコスト平均法とも言い、平均購入単価を抑えることが期待できる方法のことを言います。
平均購入単価を下げる効果が期待できるので、積立をするのとしないのとでは積立をしていた方が値下がりによる損を抑えることができるというわけです。
安定運用の具体案
バランスファンド(投資信託)の保有
分散投資を簡単に行う方法の一つがバランスファンドの保有です。
バランスファンドとは投資信託のファンドの種類であり、このファンド一つで株式や債券、REITなどさまざまな資産への分散が可能です。
バランスファンドにもたくさんの種類があり、ものによっては株式の配分が大きいものだったり、債券の配分が大きいものなどさまざまあります。また、購入時手数料や信託報酬にも違いがあるのでよくチェックしてまずは一つ決めて持って見ましょう。
また、価格の推移チャートを株式ファンドや債券ファンドと比較してみるとその違いがよくわかります。
ネット証券等であればその比較も簡単に行えるところが多くあるのでまずは口座開設をして色々とファンドを見てみるといいと思います。
ファンドラップに運用をお任せする
ファンドラップとは数種類の投資信託を運用の専門家が代わりに運用、管理してくれる仕組みのことです。
運用をお任せすると言っても自分の指示で運用を依頼するわけではなく、複数のコースの中から自分のリスク許容度にあったコースを選択し、その後の運用をお任せするのが一般的なスタイルです。
値動きにより、当初自分選んだリスク許容度から大きく逸脱するようなことがあれば元のリスク許容度へとリバランスしてくれたりするので、まさに中長期でほったらかしておいても安心できる仕組みです。
ファンドラップのサービス内容も、金融機関によってさまざま違いがあります。
中には契約できる最低金額の設定があるものも多いので事前にチェックし、バランスファンドと比較してみるといいと思います。バランスファンド(投資信託)の方が小さな金額で始めやすいです。
積立で時間分散しながら少しずつ保有
時間分散効果が得られるのは積立投資です。
バランスファンドも投資信託なので積立による購入が可能です。一括購入ではなく積立での購入にすることでより安定的な運用に繋げることができます。
また、投資信託は一つのファンドで複数の投資対象に手軽に運用できる仕組みなので株式型ファンドであっても個別で株式を買うよりリスクが軽減されています。(前章の分散投資の①にてはまります)
さらに時間分散でいうドルコスト平均法は比較的根動きの大きいものの方が効果を発揮しやすいと言われているので、少しリスクをとって株式型ファンドで積立を行うことも選択肢に取り入れやすいかと思われます。
積立は長期で行っていくのが好ましいのであまり大きな金額で始めず、毎月無理のない金額で計画的に始めていきましょう。
まとめ:自分に合う方法でお金を育てていこう!
今回は安定運用のメリット、抑えるべき要素とその具体案について解説しました。
◦日々の価格変動におびえず安心して運用ができる
◦頻繁な銘柄の入れ替えや見直しが必要ない
・安定運用の3要素
◦分散投資
◦長期保有
◦時間分散
・安定運用の具体案
◦バランスファンドの保有
◦ファンドラップに運用をお任せする
◦積立で時間分散しながら少しずつ保有
運用に正解はなく、ここでの説明が全てという訳ではないですが、運用のベースになる大事な内容なのでこれを踏まえて自分に合った運用方法を選択していっていただけたらと思います。
具体的にどんな銘柄を買うかを相談するには銀行や証券会社の窓口の利用、FPへ相談する方法などがあります。
基本的に金融機関の窓口は無料で相談ができるので一度利用してみてもいいかもしれません。予約が必要だったり、土日に対応できないところも依然多いので、忙しい人は自分でネット証券を利用するのもおすすめです。