将来困らないために押さえておくべきお金の知識

NISAって何?誰もが使える国の非課税制度NISA(ニーサ)とは

お金の話【超入門】

NISAの制度ができてからもう7年近く経ちます。

2018年にはつみたてNISAの取り扱いが始まっており、
さらに2024年には新NISAが始まります。

今のうちにNISAとは何なのか知っておき、
時代の波において行かれることの無いようにしましょう。 

NISAができたその背景

なぜNISAという制度があるのか。

それはずばり、『日本国民に資産を形成してほしいから』です。

NISAの制度が導入される前、ずっと言われていたことがあります。それは「金融資産ゼロ世帯」の割合が歯止めがかからないほど増えているということ。

2013年当初、2人以上の世帯の31.0%が『金融資産ゼロ世帯』であり、そのうち平均以上の収入がある世帯でも20%前後は『金融資産ゼロ世帯』であると、深刻な問題になっていました。

金融資産ゼロだと何が問題なのか。

それは老後の備えがないことで将来生活費が足りなくなってしまうことが想定されるからです。

老後の備えをしないとどうなる?

お資産を持たない世帯の定年後は退職金や年金が主な生活資金となってきます。『退職金と年金があれば大丈夫じゃん!』って考えている人もいるかもしれませんが、その考えはやめた方がいいです。

退職金は企業によってや、勤続年数によってさまざまなので一概に言えませんが将来的に取り崩して使っていくといつか底つきます。

『贅沢しないで少しずつ使えば問題ないよ』そう反論してくる人もいます。ほんとにそんな使い方できるでしょうか。

ではここでシミュレーションしてみましょう。

まず一般的なサラリーマンの年金(国民年金+厚生年金)は平均受給額で14万5000円/月です。

今現役で働いてる方はどんなに少なくても18~20万くらいはもらえてるんじゃないでしょうか?初任給レベルです。

ここで仮に60歳まで収入が20万、支出が20万で、退職金が2000万円の『金融資産ゼロ世帯』という設定にしてみましょう。(結婚資金やマンションの購入、子供の学費などライフイベントによるの出費がなく、一定であるとします。)

そうすると、60歳以降5万5000円ずつ収入が足りなくなりますよね。退職金があればそこから使っていくので計算すると2000万÷5万5000円=363.6(ヵ月)→30.3年となります。

なあんだ30年もあれば90歳だから全然足りるじゃん!と思いましたね?ね?

銀行にいて、店頭で大金をおろして帰る(今は防犯上ほとんどが振り込みですが)高齢者の出金理由のほとんどが自宅のリフォームだったり、病院代、薬代、手術費用だったり、介護施設入居のためだったりします。高齢者って質素に暮らしてると思いきや結局めちゃくちゃ出費多いんですよ。そりゃ同じとこに何十年も住んでればリフォームが必要になるし、介護施設に入らなくてもヘルパーさんとか必要になるし、なにより寿命が延びてるし90歳までの生活費で足りるの?って話ですよ。(このあたりもっともっと熱弁したい)

つまり、退職金と年金だけじゃ安心したセカンドライフは送れないってことです。

少子高齢化で年金に異変?

もう一つ言わせてもらうと、少子高齢化って言われてるなかっで今の30代、40代が今の高齢者と同じだけの年金もらえる可能性は年々低くなっているのが現状です。

年金制度があるからと言って必ずもらえる保証はないんです。いつか制度が変わってもらえないとか、会社の厚生年金の制度が変わることだってあるかもしれない。本当にもらえるかわからないお金に頼って生きるのは運用以上のリスクがあるような気がしています。

一時期ニュースにもなってましたよね。2000万円問題て。

国も警報を鳴らしているんです。若者が減ってるから年金を作り出す元手がないんです。元手がないと年金作れませんから。

だからNISAという制度ができたんです。

『国に頼るだけじゃなくて自分たちで貯蓄して将来に備えてください!税金を優遇しますから!』そんなメッセージをこの制度の裏側から感じます。

NISAとは

NISAという言葉は日本版ISAの愛称で、総称は少額投資非課税制度といいます。

ISAとはイギリスで1999年に導入された個人の貯蓄や投資を推進するための税制優遇措置制度のことです。NISAはこの制度を手本に作られました。

しくみ

日本に住む20歳以上の人が1口座だけ利用することができ、

年間120万円までを株式や投資信託等へ投資した際、得られる配当金・分配金が非課税になります。その非課税期間は5年間です。

簡単に言うと仮に120万投資して10万増えたら10万円がそのまま税金とられずに自分のお金になるってことです。2014年に120万投資したら2019年まで5年間が非課税になり、その翌年(2015年)に追加で120万投資したとしたらその分は2020年末まで非課税となります。

現行のNISAは2023年まで投資できるので今年(2020年)を含めるとあと120万×4年=480万円を非課税で運用することが可能です。

非課税の考え方

元手が非課税になるわけではなく、運用益のみ非課税になるというこの制度。

『あんまりメリットを感じない』そうとらえる方もいるかもしれません。

運用ではなく普通預金の場合、100万円を1年預けて10円の利息がついても10円のうち20.315%は税金でとられるので実際につくのは8円とかです。ただでさえつかないものに税金まで取るのか、、、

でも運用はタイミングさえ間違えなければ預金以上に資産を殖やせる可能性があります。仮に1%でも利益が出れば120万の1%は1万2000円です。それが20%税金がとられるとすると2000円持っていかれるんです。…でかいですよね。

非課税なら1万2000円がそのまま自分の資産になります。運用益が大きければ非課税になる部分も大きくなります。運用しているものにこそ非課税にすることでそのメリットは大きくなるのです。

せっかく貯蓄するなら使わない手はないです。

ロールオーバー

5年が経過したものはロールオーバーすることによってもう5年非課税で持ち続けることが可能にもなります。その際その年の120万円の枠はロールオーバーした分で消化されてしまうので注意が必要です。

NISA利用の注意点

口座の開設・移動

NISA口座は1人1つまで開設できます。なので一つの金融機関でしかNISAは持てません。

他の金融機関で使うには変更する手続きが必要になります。ですがその年にすでに何か購入している場合、同年中には変更先で新たに購入はできません。翌年分からになります。

また、変更するともう前の金融機関での購入もできなくなりますので、変更のタイミングには十分注意してください。

非課税枠について

非課税投資枠は年間120万円までで、仮に未使用分があったとしても翌年に繰り越すことはできません。

保有ファンドで収益分配金の再投資やスイッチングを行う際、その分の非課税投資枠が必要になります。すでに120万枠いっぱいの利用がある際は収益分配金の再投資やスイッチングはできなくなります。今後の運用方針に支障が出ないように、利用の際はファンドの特徴を確認しましょう。

損益通算

金融商品は値下がり後に売却し、損が出た場合でもほかの口座(一般口座や特定口座)で持っている金融商品の売却で出た利益と相殺し、税金の対策をとることが可能です(損益通算)が、NISA口座で持っている金融資産は損益通算をすることができません。

口座間移動

NISA口座以外で既に持っているファンドをNISA口座に移すことはできません。

また、NISA口座でもているファンドを一般口座や特定口座に移すことも出来ません。

まとめ

NISAについて理解は深まりましたか?

国が皆さんに『運用してほしい』からこそ存在する制度です。

自助努力をしないと将来が心配ですね。どんどん使っていきましょう!

つみたてNISA、新NISAについても今のうちに一緒に押さえておくといいですね!